定山渓天狗岳第V峰の記録    110430


定山渓天狗岳は本峰の北に、順にU峰とV峰がある。
さっぽろ湖側、滑沢川の谷の林道からV峰に登りました。

小樽内川林道入口の横に、滑沢川に沿う林道「滑沢1号」の入口もある。
先客は1台、山菜の様子。後からもう1台、2人パーティーで目的はヒクタ峰。
林道は雪の下、固く締まって沈み込みはくるぶし程度。
山中に入ると踏み抜きが度々あり、油断のせいで打撲損傷+擦傷の事態が1回。
林道では途中、水流のため路面露出が所々。
驚いたのは、道の脇に大きな熊の足跡。尾根斜面から沢に下っている。多分、本日早朝。

林道が沢の中に消えて、本日最初の難関、渡渉地点。
長靴なら渡れる程度だが、キックステップ対策で足元は登山靴。
地面露出の川岸急斜面で隔てられた上流側は、広く開けた3股の谷になり水流が分散。
木をつかみつつ、斜面を強行突破。水流3分割なら登山靴でも、渡渉可能。
なお、下りは3股部から大きく高巻いて林道へ。強行突破よりはこれが正解だった。
右岸に渡った先、地図にある林道は枝沢に消失、GPSへの入力点不足で迷うことに。
半信半疑で枝沢に入り込み、色あせたピンクテープの横に林道跡を発見。林道跡歩きへ。

林道跡は細木が育ち、荒れている。夏なら消失している気配。
道は尾根の中央、右、左、と位置を変えながら登っている。
角度は急で、トラックで材木搬出は無理だったろうと推測。
高度が上がるにつれ、展望が効き出し、特にヒクタ峰が枯れ枝を透かしよく見える。
林道とは標高720mあたりで別れ、尾根の登りを継続、すぐに稜線に出る。
第V峰の北にある標高1000m岩峰から東に伸び、796mPを通過している稜線。
この後しばらくは極楽尾根歩き、本日のハイライト。
展望が開け定山渓天狗岳の峰が3つが迫力。
一方、目指す先には本日の最難関、1000m岩峰が見え隠れ。

急角度の稜線にたどり着いて、左は積雪が崩れ落ち、地面が露出した崖面とその上に残存の雪庇、要注意。
右も急だがこちらにはまだ木が散在。安全第一に右寄りを心がけ登高。
1000m岩峰はグーグルアースを見て、びっくり仰天の危険ポイント。
事前検討では標高970mでヒクタ峰からの尾根に向け、トラバースする予定。
現実は、斜面の木立密度が期待以下で角度も急、ふんぎりがつかぬままズルズル登って、とうとう岩壁の直下に到着。
岩登りは無理と左右を比較、簡単そうに見えた左コースへ。
これは、間違い。岩壁直下を迂回した先が恐怖の登り。急斜面の下は落ち込んで、何も見えない。空中にいる気分。
多分、プロのガイドなら岩峰を回避、標高970mあたりをヒクタ峰からの尾根に向けトラバース。

1000mPを通過してしまえば、あとは広々とした疎林の中、斜度はちょっときつめながらゆったり歩き。
気分的にも余裕たっぷりで登高。場所により雪面に強度差があり足の踏み抜きにだけ注意。
頂上は広く開け視界360度、所々ダケカンバが展望を邪魔するが本数が少なく問題なし。
広場の中心のダケカンバの大木に峰風さんの頂上標識を発見。これは久し振り。
さらに南に進んで定天2峰を偵察、見た目、険しそうで、これ以上の単独行動は無理と下山することに。

下りでは、ヒクタ峰との稜線を偵察。木が密集し雪がない。突入する元気が出ない。
あきらめて1000m岩峰へ、下りにかかると、やはり恐怖を呼ぶ足元の景色。
幸い、雪が軟化し雪の中に靴が沈み込む。それが安心感を呼び、一歩づつ慎重に下降。
しかしさすがに、最下の岩を回った登りコースだけは、どうしても足がすくむ。
反対側、1段上の岩との間にある隙間の雪面のほうが、切り立ってはいるが下が見通せ、潅木も見える。
5m程度の落差を、雪と一緒に崩れ落ちるように下って、無事通過。
もうひとつの難関、渡渉地点は、気温が上がり増水で流れが激しく。
ここも、慎重にコース取りして、靴の水没もなく通過。
なお、途中にはカタクリの花や山菜の芽生えもあり、結果良しの山行でした。

出発7:40 渡渉地点8:20 1000mP10:15 山頂10:40 1000mP11:05 渡渉地点13:00 帰着13:40
定山渓天狗岳第V峰の展望・雪景色風景写真

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