余市岳(白井川右股川沢登り)の記録    08 08 17 


白井川支流の右股川(地理院地図では右、沢の本では左)を遡り余市岳登頂、一般登山道を下りました。
天狗小屋の駐車場所には先客1台、余市岳単独登山、頂上手前、ケルン横でアマチュア無線のコールを。
ゲートの先、二股橋までの林道は整備良好。護岸工事の車両によるもの。
右股の林道に入るとオオバコの道。車両通行は雲泥の差
この林道は深くえぐれた枝沢が終点で、ここが入渓点。
5m程の崖を下って枝沢。枝沢を下って右股川。

開けた河原ながら水流は浅い、中央をジャブジャブ歩ける程度。
時折現われる大きな岩の周囲にえぐれた淵。岩や倒木が作る小滝。両岸一杯に通せんぼの大倒木。などを次々クリア。
難しい滝はないが、釜のへつりが大変な場所が2ヶ所。
Aさんならひょいと通過ですが、足の短かさが災いで、ちょっと無理。
腰まで浸かる気にもなれず竹薮突入と、草付壁乗り越えが1ヶ所づつ。

地図を見ると、この川の水線は毒矢峰南裾を西進し2本に分裂、両方ともに平行して北上。
山頂に突き上げているのは左側の沢、分岐点をちょっと西進してから直角に北上。
この2本の水線の分岐点は顕著だろうとの先入観でしたが、枝沢の流入口とさほど変らず。
かえって、直角に北上している曲がり角へ、滝状に合流している枝沢のほうが目立つ。
総合判断に難しいところも、GPSなら地図上の位置がすぐ分かる。
ただし、事前に、どれだけこまめに位置入力できるか。旧式で、CPU入力できないのがつらいところ。
このルート、要所々にはテープあり。さらに要所での枝切りの跡も。これには感謝。
ところで、曲がり角あたりで、不審物、どう見ても水道用ポリエチレン管。
長さ20mくらい、この先の上流にも10mくらいのものが、誰が何のために、想像の範囲を逸脱。

順調に進む程に、川幅、水流が徐々に減少。両岸の笹藪が迫り、岩上の苔も顕著に。
沼方面との分岐点2ヶ所通過。
その先水線の切れる場所を通過、水流は引き続きあるもさらに狭く。
沢歩きを楽しむだけなら、ここらで見切りをつけ、沼折り返しのほうが良さそう。

両側から笹、潅木がかぶさて、もう源流の雰囲気。
苔むした河床に木漏れ日(笹漏れ日)が射す、一見涼やかなトンネル。
ただし、かき分けたり、しがみついたり、全身運動で涼む余裕などなし。
ここで、珍しい自然現象。倒れこんでいる潅木の幹から赤い花のような気中根。
多湿状況が安定し、降雪、土石流など物理的破壊がなかった証拠。
トンネルは長続きはせず、開け乾いた大石ゴロゴロ帯が出現、陽が射して体温上昇。
ここでは、地図に明記の北の湿地への分岐と、沼方面との分岐点2ヶ所を通過。

登り切って、ポカッと視界が広がり、灌木の下に湿地が出現、ミズバショウの群落。
ここからが1000m台地。沢形が入り組んでいます。
ここまでは、GPSと地図を付き合わせれば進路に間違いはなし。
台地上はそうはいかない。流れが蛇行し、分岐点での方角だけでは判断できない。
沢相と水流の太い方が正解、テープがあれば明快。

笹藪に覆われ、迷路的な台地を抜けると最後の分岐。標高1030m。ここからはGPSで大丈夫。
テープもあり明快ながら幅は狭い、足元は苔付着の石で、沢源頭状態。頭上は笹が覆いかぶさるトンネル。「緑の回廊」
キレイな名前とはウラハラに全身運動で体力勝負。急斜面の直登で四肢フル活用。かき分けと掴まり登りで腕力がものをいう。
この直登途中にぽっかりと草地が出現。雪渓の解けた跡、草付の急斜面。
見晴らしがきき、ヤマハッカの青い花と、ペパーミント香、気分爽快。
これが源頭のお花畑に続いてくれるのではと安易な期待。
現実は甘くなく、またもや「緑の回廊」に突入。その繰り返しが数回。
結局「緑の回廊」の藪道は「源頭お花畑」まで、分岐が1ヶ所あるも、ほぼ1本道。
ここが本日の頑張どころで這い上がりました。

お花畑に到着でやれやれ、良くぞ制限時間内でここまで来たもの。日没まで余裕あり。
ほっと一息の休止で、目の前の大展望をパノラマ撮影。
百松・烏帽子・神威・定天・藤野・盤の沢・イチャンコッペ・紋別・空沼・札幌・狭薄・恵庭・漁・無意根・喜茂別・尻別・羊蹄。

お花畑を見渡すと、主役の春の花、アオノツガザクラ、チングルマなどは終了。
咲いているのは夏の花。ナガバキタアザミ、トリカブト、ミヤマキンバイ、タカネトウチソウ、オヤマリンドウ、コガネギク、ハクサンボウフウなど。

この後は踏み跡から一般登山道を山頂へ。先客は親子連れ1組2名。我々の遅い昼食休憩の間に下山。
下りの手前のケルンにはアマチュア無線の方1名。登り5時間とのこと。荒れた登山道では相当に健脚。

下りの登山道は概ね明解も、途中に深い笹かぶりの場所多数あり。
草地の上の岩伝い。沢の出入り口が別で沢筋を歩く。など迷う場所多し。
登山道の荒廃も進行。斜面崩落で道が消失。沢がえぐれて崩れて道が消失。
山に慣れていない方には、お勧めできないコース状態です。
やっと林道に、こちらまで草に埋もれ荒廃。これでは白井小屋の管理などできないと余計な心配。
そして止めが林道の崩壊。沢にえぐられて、僅かに痕跡が残るだけ。まあ、一人で歩行する幅はあり。
驚いたのは、足下の沢の中にバイク。これは本日落下したもの。

もっと、驚いたのが、その先に出現した、山奥に不釣合いに立派な護岸工事。
これでは工事車両の数は膨大、林道の砂利も大いに圧密された。
なお、キロロから国際方面の「飛行場」の笹原には「タケノコ採集通路」が縦横。
入場料が不要な時期には良い山歩道になりそう、楽しみがまた増えました。
温泉は小金湯「松の湯」500円。
隣の本年3月新装開店温泉では、割引サービスが始まり、600円という表示が目に入りました。


出発7:25 入渓8:10 水線分岐9:30 1000m台地11:00 直登斜面11:30 お花畑13:20 頂上13:50 登山道キロロ分岐14:35 左股川林道16:40 帰着17:35

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