十勝岳・上ホロカメットク山縦走 の記録    160918


吹上温泉から十勝岳へ登り、上ホロカメットク山・上富良野岳と周回縦走して十勝岳温泉へ下りました。

まず、吹上温泉から十勝岳避難小屋へのコースを歩く。
歩き出してすぐは観測施設用の点検路。道の路面が台風により掘られ、ケーブル保護管が露出している。
この先、最後の温泉手前の林道までは普通の登山道、路面は自然の地面を登山者が踏んだもので損傷なし。
施設の先は沢地形の林間を横断。沢底から上がって、しばらくは自然遊歩道の景色の中を歩く。

ハイマツ群は密度薄くうるさくない。足元にはシラタマノキの白い実が鈴なり。庭園風の趣あり。
花の時期にはさらに良い風景が見られそうなルート。
途中にある富良野川の渡渉は、水流の音が高く聞こえる割には、水量少なくすんなり。
ハイマツ群を抜けると荒涼とした景色が広がり、望岳台からのブル道に合流。
ウラジロタデの葉が黄色に染まり、秋の季節を感じさせる。

再建された避難小屋には防災用品が多数。ヘルメットと毛布が目立つ。
数人が横になれるスペースもあり。大型のリュックが1個、サブザックで十勝岳往復か。
避難小屋のすぐ先でコースは左折して一本東の尾根に移る。徒渉は容易。
小屋から直進の「前十勝コース」は歩行禁止。噴火の危険と有毒ガスのためではと推測。

尾根道はザレ場だが、歩く部分は礫・石が無く、砂と土で歩き易い。。
登山者の数は予想したほど多くない、多分百人以下とドンブリ勘定。
目立ったのはノルディックスキー部の中学生。ジョギングのペースで勢い良く追い越していく。
尾根道の先に外輪山への急斜面が立ちはだかって見えるが、丁寧にジグがきってあり、その斜面も苦労なく登れる。

外輪山に出て、一気に空間は開け展望良好。周囲には十勝岳・美瑛岳・境山・下ホロカメットク山なとくっきり。
来し方には前十勝から盛んに噴煙が上がり、見下ろせば、雲海の下に、富良野〜美瑛の平野が垣間見える。
左にはスリバチ火口の断崖が見て取れるが、怖ろしくて、まともに近づいて覗き込めない。

十勝岳山頂手前の壁までは平坦な道、ただし両サイドは切れ落ちている。天候急変で霧の中。
壁が近づくにつれ霧が晴れ、なんと雪が降って来た。量は少なく、地面に落ちるとすぐ融けて積雪はなし。
低温に上に、風が強く吹きつけ、重ね着で防寒対策。
十勝岳の斜面には黒・白・茶の異様な縞模様。多分台風の激しい雨が流下して、地層を突き抜ける深さの溝を削った。

壁は十年前の記憶ではザレ場で足場不安定だった斜面。その原因の砂礫が激減、地盤が現れ、ジグが切られ歩き易い。
壁の上の稜線、頂上直下の急斜面も足元は順調。だが、雪まじりの強い寒風が吹き付け、体温を奪う。
頂上では風下に逃げても寒さが持続し、重ね着をしても震えが来るほどで、早々に退散。
特に指先は冷えすぎで感覚が無くなる。懐で温めると感覚が回復し痛い。2,000m級の山では冬装備必要。

上ホロ側の下りも、丁寧にジグの道がついており、若干ザレ気味だが歩きは安定。
平坦部まで下ると風の勢いは緩和、指の痛みも徐々に緩和。
避難小屋までは崖の縁をアップダウンのルート。緩斜面側へは、植物保護のため立ち入り制限のロープ。
右は崖なので、ちょっと怖い。慎重に前進。
そのロープを支える鉄棒は噴煙の浸食で細くなっている。補修個所にある新旧の対比を見ると分かり易い。

植物は葉が黄色くなり、一応は「草もみじ」だが、疎らに生えているので、地味。
上ホロ避難小屋では、一人で小屋の手入れ作業中の方がいた。
その先、上ホロカメットク山の登り、遠くから見ると岩場だが、土や砂礫を踏んで登る割合が高く、厳しくはない。
上ホロ山頂では小休止。十勝岳・富良野岳の風景、安政火口の迫力を堪能。

背の低いハイマツの中の道を下り、上富良野岳へ。
上富良野岳からの下りが足元注意の難所。傾斜がきつく、ザラザラで足元不安定。
さらに、ここの下りの要注意場所は、化物岩手前の階段と、化物岩から先の沢地形の岩場の連続。
化物岩の周辺はナナカマドの赤い実が目出ち、一部、紅葉もみられたが、まだ時期的には早い。

富良野岳のコースと合流し、下りは順調。
十勝岳温泉へ向かう林道は、台風被害で路面がズタズタ。
あちこちでケーブル保護管と埋設シートが露出しておりました。

出発7:40 十勝岳避難小屋9:10 外輪山10:30 壁下11:10 山頂11:50 下山12:10 上ホロ避難小屋13:05  上ホロカメットク山13:25 下山13:40 上富良野岳13:55 富良野岳コース合流15:05 十勝岳温泉16:10
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