恵庭岳 の記録    151012


かつて登山口駐車場のあった一帯は、土石流が谷を埋め尽くす惨状。
工事用道路が付けられ、砂防ダム建設現場が2箇所。上流の方の現場は谷の幅を全部を占め、通過不可能。
登山ルートへ出るためには、藪漕ぎで高巻くしかない。
急斜面を登り、噴火口から流れ落ちる崩落の沢の右岸の崖の上を200m遡ってから沢の底へ。
ここまでの藪漕ぎルートには、1.25×2cのキャブタイヤケーブルが這わせてあった。その先は左岸の斜面を上がっており、用途は不明。
沢底を下って、工事現場の上流側まで戻る。50mの現場をかわすために、40分もかかってしまった。スタミナもかなり消耗。

登山道に戻り、標高460mくらいまで、石がゴロゴロの涸れ沢的な道。それでも歩き易く感じてしまう。
一旦台地状の人工林の平坦地に出て、木立が全滅。あたり一面が倒木に多い尽くされている。
登山道を無理にたどらず、倒木の幹の上を伝い歩く。
幹は北西から南東の方向に倒れており、結果、登山道からは、北へ100mほど逸れて、人工林跡を通過。
そこから藪歩きで登山道へ戻る。ここの時間ロスは10分〜15分。
なお、先行した親子連れは倒木に覆われた人工林跡地で引き返し。
直後に出発した、ツアーの一団は、ガイドさんが高巻きの偵察で手間取っており、多分、そちらも引き返したものと推測。
本日の恵庭岳の山中で行動しているのは単独登山者が2人だけという、予想もつかなかった事態になってしまった。

標高480m〜560mの壁のジグ登りに倒木はほとんど無く順調。
壁を通過、標高560mから上は傾斜が緩み、人工林らしき一帯となって、またも、倒木が道をふさぐ。
今度はあたり一帯ではなく、順調歩きと倒木通過の繰り返しで、引き返す決断を遅らせる。
人工林通過後は倒木は減少、ダケカンバの倒木もあるが、人工林のように猛烈なものではない。
登るにつれ、樹木の背が低くなり倒木は消滅し、普通の登山道の環境に戻ってくる。
だがしかし、倒木通過の疲労が蓄積、そのダメージで体力・気力は低下。

登り道と下り道が分かれる場所まで来て、ここまで行動を共にしてきた単独登山者と別行動に。
その方は速度アップでずんずん先行、こちらはペースをスローダウン。
登り道と下り道が合流するとすぐに、第一展望台。ここで、ゆっくりと写真撮影。
展望は良好、あいにく曇り空だが、支笏湖周辺と恵庭岳火口の景色は独り占め。
第一展望台から少し登ったところで、先行していた単独登山者の方が降りて来た。
第二展望台のある斜面へ回り込むと、風向きの加減で雨足が強くなっているとのこと。
登りの途中から小雨が降ったり止んだりで、すでに合羽着用。が、合羽の内側は汗だく。
これは踏ん切りをつけるタイミングと、一緒に下山。

下山途中、標高700mくらいから下の倒木地帯では、登山道のすぐ右に、地図には無いが、小さな沢型。
沢の幅が狭く、倒木の幹と沢底の間には、くぐり抜け可能な隙間が出来ている。沢の底を歩き、倒木帯を突破。
ただし登山道の存在は常に確認。安易にこの小さな沢を下って登山道を見失えば、やっかいな事に。
標高460m〜480mの倒木に覆われた人工林跡地は、登りとは違って、登山道に沿って通過。
倒木をかわすのは、厳しい全身運動だが、予想したほどの時間ロスはなし。
最後、工事現場のための高巻きは、最後の力を振り絞り、疲労困憊でやっとの通過。
恵庭岳は、今年、登るべきではない。来年以降に、登山道が整備されてから登るのが賢い選択、という結論。
そうはいっても、トラブル連続のドラマチックな山中は、醍醐味と充実の印象深い山行でした。

駐車場所出発8:40 490m壁下9:55 第一展望台11:30 引返し11:45 490m壁下13:15 駐車場所14:20         
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第一展望台より支笏湖:イチャンコッペ山・紋別岳・モラップ山
恵庭岳第一展望台より支笏湖:イチャンコッペ山・紋別岳・モラップ山

第一展望台より恵庭岳火口と頂上岩峰
第一展望台より恵庭岳火口と頂上岩峰

恵庭岳登山口の紅葉
恵庭岳登山口の紅葉

ヤマハハコ
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