イドンナップ岳 の記録    150620


日高の主稜線から東に外れているため、日高地方の平地から見て目立つ山、1752m。
Oさんから声をかけていただき、疲労困憊しつつも往復してきました。

サツナイ沢の林道終点が登山口。作業道が△941.8mと878mPのコルから流下する枝沢に沿って付いている。
作業道は造林作業現場跡の斜面下で終点、そこからは沢へ下り、谷底を歩く。
沢は流量が少なく、踏み跡が付き、登山靴で問題なし。
標高590mで斜面取り付くが、位置は路面の土が露出しているためすぐにそれと判る。

すぐに作業道跡に出て、道跡の中央に付いた踏み跡をたどる。
林間のため下草は薄く、周囲の見通しは良好。コルまで歩く。
コル手前で一旦ダニ点検。衣服の表面に付いたダニを払うが、この先さらに多い。
コル上の作業道には笹が密生、腰より高い程度で見通しは効く。
踏み跡は上から見ると笹が隠すが、足元を良く見ると明瞭。
この先も登山道に笹が覆って、判り難いところ多く、見失う可能性あり。
今回はOさんの先導で、その点は順調。

コルを渡った先から登山道。
長期間刈分けがされていないが、人が歩き、踏まれているので、完全廃道ではない。
冬期間の積雪量の少なさが熊笹の発育を抑制しており、細くて背が低く抵抗が弱い、この辺、札幌近郊と違うところ。
標高790mから、1404mP直下標高1290mまで、延々の尾根道登り。
明瞭な登山道に笹被りの判り難い道が混在。
標高差500mだが、アップダウンが多く、実質の登り合計は割り増し。
途中岩峰が2つ、迂回路がロープ場。危険度は低いが、疲れの溜まった身にはありがたい。

標高1300mあたりから道は斜面トラバースに変化。尾根稜線を見上げるとハイマツ群生。
ハイマツの刈分けは大変なので笹刈を選んだと思われる。
が、斜面横断の道のため、笹が登山道の上に倒れこんで、靴底が滑り易く、横に転倒。
登りは1回で済んだが、下りは疲労蓄積で足元フラフラ、数回の横滑り転倒。この山の難関。
トラバースの途中には緩いアップダウンや平坦地歩きも織り交じる。
雪渓が出てきたり、小さな池にサンショウウオのものらしき卵。テント設営可能そうな場所も散見。

新冠富士西斜面標高1400mで直登に近い登山道。
この先新冠富士頂上までは、笹の勢いが衰え、路面も顕著で普通の登山道とそう変わらない。
道端に咲く花へ視線を配る余裕も出てきて、山歩きを楽しめる部分。
笹被りは、歩行障害とならない程度、下草は背が低く、見通しが利く。
途中長いトラバースの登り坂があるが、笹の倒れ込みはなく、足元安定。
新冠富士北西尾根の南西斜面、標高1470mから1550mの登りは一面のお花畑の中でジグ切り。
ロープ場もあるが、シラネアオイの大きな群落、オオサクラソウなど豊かな植生。

一旦、1550mの見晴らしの効く稜線上に出て直登、潅木の中の道となり左手には残雪の帯。
稜線上、登山道の1ヶ所に残雪の場所、ここは、雪解け後に展望のお花畑となるのか。
稜線を登り切り、新冠富士山頂に出て360度の大展望。
周囲は日高地方の山にぐるりと囲まれ、特に日高山脈の主稜線の山々が迫力。

新冠富士からイドンナプ岳までは、日高の稜線歩き。
ハイマツを掻き分け、岩を踏みピークを乗越して、稜線をたどる。
この地図では読み取れないアップダウンが体力と時間を消耗させる。
時折、足場の良い草地斜面があれば、そこへ下り、ピークを巻いてトラバースの道。
解け残った雪庇の上を歩く場面もあり、これは足の運びが楽で助かる。

ハイマツは刈分けから十数年が経ち、枝が伸びてきて、随所で両サイドから通せんぼ。
まだ、腕力で掻き分け可能な太さだが、これに比べると、これまでの笹の抵抗など優しいマッサージのようなもの。
延々の掻き分けで腕に疲労が溜まったが、帰宅後の筋肉痛は腕には無かった。なお太腿には、きつい筋肉痛発生。
途中のピーク1ヶ所と、三角点のピークの2ヶ所で、強烈なヒグマの尿の臭い。
Tさんによると、テリトリーを主張するための臭い付け。ということは、ヒグマの情報交換センター。

イドンナップ岳山頂に着いて、こちらも360度の大展望。
何といっても、カムエク・ホロシリ・1839の姿を堪能でき大満足。

下りでは新冠富士お花畑の下で2人パーティが休憩中。テント泊の大荷物で、これは大変そう。
もう1組新冠富士ピストンのパーティがいたとのことで、本日の山中は3組だけ。
下りの時間も足場の悪さ、藪漕ぎ、アップダウンが効いてスピードは上がらず。
駐車場所到着は本日の日没19:10を超過。
それでも、暗くなる前に、着替え履き替えを済ませ乗車。ゲートも通過出来ました。

出発4:30 コルの林道から登山道5:45 1404m峰直下トラバース路開始8:30 新冠富士10:50 イドンナプ岳12:55 新冠富士14:50 1404m峰直下トラバース路終了16:40 登山道からコルの林道18:40  帰着19:20
  イドンナップ岳の 風景写真
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サツナイ沢の入口には真新しいゲート。土を入れたばかりで工事途中の様子。
おそらく、工事完成後に一般車両乗入れ禁止となる。?
林道はブルが入った跡が見られる。車での渡渉が3回。傾斜もきつい。
最低地上高のない1000ccFFでは歯が立たないと感想。

日高は牧場が多いので、牧草の生産も盛ん。
車窓から、一面に広がるオーチャードグラスの牧草地を見てギョとした。
その牧草は、管理人の花粉症のアレルゲンなのでした。
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