風不死岳(樽前山7合目ヒュッテ・北尾根縦走) の記録    120603


支笏湖畔、樽前山の手前にそびえ立つ風不死岳には登山コースが2つ。
その2つの樽前山7合目ヒュッテコースから北尾根コースへと縦走しました。

北尾根コース登山口に車を置き、樽前山7合目ヒュッテに到着すると駐車場は既に満杯。
ボランティアの方の誘導で路上駐車。73台目とのこと。
風不死岳登山口は駐車場の手前で林の中。木々の葉とシダなど下草で緑一色。
まもなく、雪解け直後の林間、枯葉の茶色が目立つ。ここはすぐに通過。
いよいよ、樽前山裾野の荒地へ、大空間が開け、植物は足元にしがみ付き。高山地帯のような風景。
上空は快晴で太陽が照付け、左手を見上げると樽前外輪山が大きく迫力。行く手には緑の装いの風不死岳。

植物で目立つのはイソツツジ。ほとんど全てが蕾以前。開花株は極めて僅か。
もう1種、マルバシモツケも同様の状態。開花予想はハズレ。日程が早すぎた。
あたり一面に広がる2種の花々が一斉に開花したらどんなに素晴らしいか。残念至極。
僅かに背の低いウコンウツギが開花。厳しい自然条件で上に伸びられず、かがんだ姿勢で成長。
道は、火山のふもとらしく、ずっとザレ場。
やがて道は緑の谷へ、木立の背が高くなり、厳しい季節風が当たらない恩恵か。
谷から上がるとまたザレ場、斜面に取り付き、稜線への登り。
932mPをトラバースして風不死岳登山口へと向かう。

風不死岳登山口手前は林間と荒地の混合。
特に登山口直前は庭園風の荒地に潅木。その周囲は緑豊かな林間。
登山口からは林間となりしばし平穏だが、すぐに厳しい急斜面の登りにさしかかる。
岩場の乗り越えも随所にあり、ロープ場多数、鎖場1ヶ所。
気の抜けない登高で、ゆっくりと一歩一歩。
標高差150mを登りきって、最初のニセピーク963mP。
東側の展望が開け、紋別岳が雲海に浮かぶ一方、支笏湖面上の雲海は薄れ、湖岸が判別可能に。
この後、ニセピークは3箇所。その手前は急登、通過後は平坦路となるパターン。
展望は登る度に向上、雲海に浮かぶホロホロ徳舜別・羊蹄など見てとれる。

最後、頂上は小ピーク。直前のコルにはシラネアオイの大株。
坂道を登りきって展望は最高、恵庭岳が出現し、その後方に札幌の山々が展開。
太平洋方面は一面に雲海でその一部が樽前の西、白老の台地上を流れて支笏湖へ注ぎこんでいる。
白い流れの向こう岸には多峰古峰山の黒いシルエットが浮かび、
その背景にはオロフレ・ホロホロ・徳舜・羊蹄などの青い連なり。
登山者が多く、広くはない山頂は満杯状態。それでも、快晴と大展望に大満足。

下りの初めは細尾根の上。頂上から見えなかった、支笏湖温泉と紋別岳の展望あり。
尾根はすぐに太くなる。それにつれ傾斜は急に。岩場の場面はほとんど無いが厳しい地形。
季節風の降雪に守られてか、木立が立派。しばらくは下草が多様で、笹は背が低くまばら。
笹はやがて密集してくるが腰下程度が続く、標高600mまで下ってやっと2〜3mクラスになる。
下ってすぐの登山道横に、大沢の源頭の崩壊跡。大沢コースの分岐らしき場所はここからまだまだ下方。
一旦、傾斜が緩くなって、小さな沢を横断する場所にシラネアオイの群落が開花。
9年前に花の終わった群れを見つけてから、3度目の正直で、やっと開花の時期に来ることが出来た。

北尾根コースの大半は急傾斜の連続、環境は林間でごく普通。
バラエティー豊富な樽前山7合目ヒュッテコースと比べると見劣りは否めない。
それでも、それなりに花はあり、楽しめる植生。
急傾斜が幸いとなり人手が入らず、自然林が残って豊かな自然。
下りの終盤に来てようやく傾斜が緩くなり、最後は林道に出る。
林道歩きの標高差が約100mと意外に長い。
駐車場に到着し、残っていた車は我々以外2台。タケノコ目的の様子でした。

出発8:55 登山口9:55 山頂11:25 下山11:50 北尾根登山口着13:35
   展望と花の風景写真
報告へ
札幌山歩 市内の山歩 道内の山歩 百山歩地図 札幌みちあるき
inserted by FC2 system