遊楽部岳の記録    101011

4時半に登山口到着もまだ暗い。
ヒグマで有名な山なので、ヘッドランプで歩く気にはなれない。
5時を過ぎて車1台到着、単独者。その後を追い、まだ薄暗い中を出発。

人工林の中、林道跡を辿り、十字路と丸木5本の橋を通過して斜面取付き。
昨夜は雨で、草露にズボンが濡れ、靴に水進入を心配したが、道の手入れ良く、草丈は低い。
登山者名簿を見る限り、入山者の少ない山だが、小学校の清掃登山があるそうで、手入れ良好はそのため。
特に1合目過ぎまでは遊歩道的、1年生向けだろうと推定。
その後、除々に登山道らしくなり、木の根でツルン滑り。岩を乗越しの場面など。
臼別岳山頂直下になると、急斜面は土が濡れツルツル路面の直登路。ロープが3本。高学年は臼別岳までか。

道はすぐに尾根上に上がり、あとは延々の尾根上歩き、トラバースは僅か。
そのため、アップダウンが次々で、実質に登る標高差は額面から相当に割増。羊蹄山に近い。
とはいえ、緩やかな所がほとんどで、木の枝を透かしての展望もあり、山歩道としては上質。
ヒグマが濃いとのウワサ話がなければ、お薦めのルート。
なお今回、落葉に隠れてか、ヒグマの痕跡はほとんど見かけず。
時期的にブドウ、コクワなど、採餌場所が山腹に移ったせいもある。

尾根に上がったところで、向いの尾根越しに御来光。山行の無事を祈り柏手。
日が射すと同時に霧が湧いて来た。やがて周囲は雲の中。
道はトド松人工林から自然林の中へ、紅葉は進んでいるが、黄色が多く赤は少ない。
特にカエデ2種類とコシアブラらしき低木の黄葉が見事。ナナカマドは縮れて、発色がイマイチ。
ブナの木は黄と赤茶のまだら、見慣れると、それなりの味わいを醸し出し、これもまた良し。
枯木、倒木には各種多様なキノコが鈴なり。残念ながら、食用、有毒の知識なし。

915m峰で休憩タイム。枯れたダケカンバ大木の幹に標識がはがれた痕跡の金具。
4合目と6合目の間なので、多分5合目標識。
2・3・7合目も見当たらないので、同じ運命と推測。
この場所、登りの展望ゼロだが、帰路は天候回復で、臼別岳(1251.5m峰)の容姿を一望。
北西尾根に登山路がくっきり見え、山頂の真下には滝の白い筋、水音も聞こえる。
休憩に最適の展望台。
ここからしばらくアップダウンの尾根歩き。時折、笛をビービーが普段と違うところ。
高度が上がり、雲の上に出て、進行方向に臼別岳、東に太櫓岳の展望。八雲方面は雲の下。
西の旧大成町と日本海も雲の下。南、進行方向に冷水岳山塊。

臼別岳山頂直下。急傾斜にかかって、直登路に大汗、冷汗。頑張りどころ。
最後岩の間をすり抜けて、臼別岳山頂。
いきなり目の前に遊楽部岳の大きな姿がドーンと出現です。
足元には三角点標石と「臼別岳」「臼別頭」「8合目」と3種類の標識。
360度で展望なら、遊楽部岳よりこちらの方が上。
羊蹄山、昆布岳、八雲町、噴火湾、駒が岳、太櫓岳、遊楽部岳、冷水岳、日本海、旧大成町。

遊楽部岳との吊尾根へ。まずは急斜面の下り、灌木と背の低い笹。
コル部分に下ると笹の背が高くなり、クマが気になり笛をビービー。
道の手入れは悪くなり、札幌市内不人気の登山道クラス。
大小のアップダウンを繰り返して、遊楽部岳稜線直下に到着。
こちらも、ツルツル路面急傾斜の直登路。ただし、ロープはない。
スタミナを振り絞って稜線上、上がってみると「ようこそ熊石町・頂上まで15分」の標識。
ここから地図上の山頂1277mはすぐ。ただし、見た目、何の変哲もない道端。無視して通過。
稜線上の道は平らで歩き易い。ハイマツ・笹の背が高いが、時折景色も楽しめて順調。

突き当たりにちょっとした広場で、中央に一等三角点標石。長時間歩いてようやく山頂。
達成感は相当なもの。久し振りの大満足。
展望は噴火湾方面に限定。それでも、ゆっくりの休憩で充実をかみしめました。
下山は好天に恵まれるも、登り返しが精神的に応える。
特に臼別岳に戻るまではスタミナ温存が大事です。

出発5:25 5合目7:30 臼別岳9:15 遊楽部岳10:25 下山11:00 臼別岳12:00 5合目13:20 帰着15:00

帰りの温泉は 和の湯(やわらぎのゆ) 420円。
事前ネット調査では見つけられなかった温泉。
国道走行中に看板を発見、急遽予定変更で立ち寄り。
天然温泉かけ流しながら、保健所的には銭湯の扱い。
番外編まで幸運続きの山行でした。


遊楽部岳の展望写真
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