境山の記録    100920

十勝連峰から南東に張出し上ホロカメットクと下ホロカメットクをつなぐ山。
Oさんに案内いただき、南富良野町北落合から一の沢川を遡って登りました。

入渓点の橋は大きなコルゲート管に土砂を被せた簡単なもの。川は岩石ゴロゴロで水流なし。
流木や川岸の崩壊、土砂崩れ跡など、雪解けの季節に濁流が流れ下った爪跡があちこち。
周囲は人工林や伐採跡地の雰囲気だが、じきに自然林に移行。
河原も開けて、明るくなり、中州や河畔林、河畔草地など出てきて歩行の助け。
開けた場所にはアカエゾマツ幼木の群生。育っている期間は流される勢いの水流が無かった。
石や岩の上ばかりでは、神経が磨り減り。足底へは軽いながらも持続的な衝撃で、負担疲労。
なお、本日は一人スパイク地下足袋で他の方は登山靴。足への打撲損傷対策に関し、布だけなのは不利。
ただ幸いにも、翌日に残る打ち身アザはなし。

延々と歩いて、下ホロカメットクへ突き上げる沢との分岐。
Oさんに教えてもらわなければ、枝沢があるなど識別不能な地形。ここから山頂までは3時間とのこと。
水流が出てきて、今迄歩いてきた涸れ沢の下には伏流水があったことが解る。
この先しばらく、岩盤露出の場所あり。
この岩盤表面はツルツルで滑り易い。踏ん張ると、鉄ピンが仇となり、スケートのように流れる。恐る恐るの前進。
登りは何とか通過したが、下りでは転倒あり、尻滑りありの悪戦苦闘。ゴム底が欲しい場面。
水流は出て来たが、最後まで何とか靴下を濡らさずに済む程度の量。
地下足袋でも、ピンの厚みとゴム引き部分の防水効果で、薄い水流を選れば大丈夫、濡れない。

周囲の樹木はダケカンバ、ミヤマハンノキなど高地性に移行。
林床には、笹密集の代りに針葉樹幼木が群生の部分もあり。
そういう所は、沢の岩石歩きから開放され、地面の上を歩くことが出来る。
笹も除々に背が低くなる。
岩石に付着する厚い緑の苔も多くなり、水流が通年安定と見て取れる。
沢歩き終盤になる頃は源頭の雰囲気。周囲の景色が穏やかに。
樹木は傾き、林床の草は薄く、見通しが効き、歩き易くなる。
さらに、樹木が薄くなると、頭上の稜線が見通せるようになり。紅葉斜面の錦模様を写真に。

開放的で源頭の雰囲気の谷となるが、その行きつく先に5段の滝が立ちはだかり。
一番下が10m弱で手強い。草付きの急斜面を登って、岩崖を伝って滝の口に渡り込み。
ここの岩と割れ目は当てにならない、人の通過が少なく、浮石や脆い部分は自然のまま。要注意。
特に沢に不慣れな立場としては、一人緊張。
あと1ヶ所、3mの滝が緊張、その他は危険度低い。

滝を通過すると間もなく、源頭の湧き出し水、岩石の隙間から流出。
さっそく、水飲み休憩。Mさんのコップを借りて一杯づつ、これは美味い。
湧水の先はガレ沢になり、目の前に大きな岩塔が見えてくる。
辿ってすぐに、空間が開け、稜線斜面のスリバチ底に出て、沢歩き終点・斜面取付き開始地点。
沢の先端はその大きな岩塔ぶつかって左右に分れている。

左の沢は斜面の植生の中に消え、右の沢は岩盤上に薄く僅かな水流が一時表出している。
右へ進路を取り、岩盤からガレ場の登り、大きな岩塔とさらにもうひとつ裏の岩塔を通過。
ここで一旦、岩塔後ろの尾根を乗越し、左の斜面にトラバース。
左の斜面は足元程度から腰下程度の低いハイマツ、ミヤマハンノキなど矮性木と高山植物が混交。
ガレ地を頼りに、掻き分け登ると、時折鹿道が現れる。鹿道に助けられつつ稜線へ。
なお、下りは左斜面そのまま。こちらの方が、植生があるためより安全。藪漕ぎは腰下以下。

稜線は不思議と背の高いハイマツが占拠。歩けないので、北斜面へ降り、直下トラバースで山頂方面へ。
斜面は足元程度のハイマツと高山植物が混交。鹿道もあちこちついており、ある程度歩き易い。
ウラシマツツジ、チングルマなど紅葉が進行、ガンコウラン、クロマメノキ、コケモモなどの果実もあちこち。
山頂部への登りは南西斜面に取付き、植物が薄く、鹿道も連続、普通の登山のように頂上稜線へ。
頂上稜線へ上がると、またもや、稜線には背の高いハイマツ。やはり、ここも直下トラバース。今度は西斜面。
ハイマツの背は低く、藪漕ぎの苦労は少なく進んで、先端の岩峰へ。

三角点は岩峰の上、材木に囲まれており、最近の測量のものが残存。
念願の山頂でしたが、周囲はあいにくの雲。薄っすら十勝岳美瑛岳が確認できた程度。
風の当らない所で昼食休憩。防寒衣で少々し粘ったが、好転しそうもなく、あきらめての下山。
下りは概ね順調、難所は2ヶ所、滝で冷や汗、ツルツル岩盤で大汗。
ところが最終盤、雨に降ってきて1時間の歩き、これで靴下がずぶ濡れ。
濡らすまいと沢を歩いた気使いが徒労となりました。

出発5:40 下ホロ分岐7:15 水流消失点7:25 二股分岐8:35 滝9:30 水流湧出点9:55 稜線11:00 山頂11:30 下山12:00 水流湧出点13:00 滝通過13:25 二股分岐14:00 水流消失点14:45 下ホロ分岐14:55 帰着16:20

さっぽろ山歩        札幌百山歩

スリバチ底と岩塔2つ
境山・スリバチ底と岩塔2つ

お花畑の紅葉(チングルマなど)
境山・お花畑の紅葉(チングルマなど)

ウラシマツツジ
境山・ウラシマツツジ


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