五色ヶ原・化雲岳の記録    100717/18

クチャウンベツ登山口から五色ヶ原経由トムラウシを目指し、ヒサゴ沼宿泊。夜半からの雨で、撤退しました。

クチャウンベツ川にかかる丸太橋が流されたせいか、登山口からの道は付け替え。
一旦、巻き道のように斜面に登り、大きく40mのアップダウン。
下った先が支流のニシキ沢、巨大な倒木の一本橋を通過。
斜面を登り、以前からの登山道に合流。しばらくは自然林の中。
最初のキーポイントは標高差80mの壁。
道は登山者に掘りこまれ泥と木の根と岩石。しかも直登。スタミナ消耗。
長丁場を前にここでバテては何もならない。ゆっくりが大事。
一旦台地の上に出るが掘りこまれの道は継続。ただ、小石が多くなり足元改善。
除々に傾斜がついてきて沼の原への登り、登山道は涸沢と化している。

沼の原台地に上がって、道の状況は改善。泥道もあるが木道がポツポツと出てくる。
やがて木道が連続となれば歩きは軽快。
そして、笹が切れ、展望が開けたところで、いきなりトムラウシの巨体がドンと目に入る。
湿原と沼と山風景が展開。此処まで足を運ぶだけでも充分に価値がある。
一旦、大沼湖畔キャンプ指定地に出て、沼の向こうにトムラウシを観賞。
残念なのは頂上部が雲に隠れている。
南に目を向けると、石狩連峰、左から右に大パノラマ。

この先、道は一旦、沼の原台地の縁を下り、五色ヶ原とのコルへ。
コルを進み、五色ヶ原の壁に取付く直前に「五色の水場」
沢水のように見えるが、伏流水の吐出のようにも思える。
ただ、水が美味しくて冷たいことは事実。立ち寄らずに通過するのはもったいない。
登りの壁になると、またもや、登山靴に掘り起こされた沢の状況。粘土のツルツル路面に岩石の段差。
五色が原台地に上がると、雪渓のお出迎え。
冬の北西季節風に、台地の雪が厚く吹き溜まったせいか。
周囲の花はキバナシャクナゲが目立つ程度、ツガザクラはまだツボミ。雪解は最近。
木道と雪渓交互の道は空間が開け、見晴らしが効き、さらに蚊が不在と申し分なし。
ただし、雪渓端部の氷には要注意。

道は地図上の位置から大きく逸れ、クチャウンベツ川上流部の沢に入り込み。
小さな沢ながら、地図には水線が付き、雪解け水で流量はそれなり。
渡渉、沢石の上、浅瀬、残雪の上などバラエティに富む。
あきらめて、ジャブジャブ沢歩きなら簡単だが、靴に水を入れまいと苦労。
沢の上流は、雪渓の下。この膨大な雪が解けるにはまだ時間がかかりそう。
8月中は高山植物が楽しめるのではないか。
雪渓を通過してハイマツ藪と笹原と湿性草原が交互の道。
ハイマツ藪には木道がなく、泥と水たまりで長靴が欲しい、登山靴で通過は大変。
笹は細くて背が低いが、密集して木道を覆い尽くし。木道から足を踏み外さないよう注意。
時折の湿性草原が息抜きの場所。高山植物の花も次々で写真タイム。

藪が消え見通しが開けて、やっと五色ヶ原。今回の山行の核心部。
左にトムラウシ、後に石狩連峰。周囲は高山植物の草原。
今年の雪解けが遅いせいか、花は春のものが多い。
エゾコザクラ、チングルマ、ツガザクラ各種、クモマユキノシタ、シナノキンバイ、ヨツバシオガマ、タカネシオガマなど。
ここまで、はるばる登って来ればこその御褒美。
幸運はホソバウルップソウ。もう終盤だが、少数ながら綺麗なブルーの株がまだ残存。
なお、シナノキンバイ、ハクサンイチゲなどポスター・パンプレットを飾る夏の花が大乱舞の舞台装置はまだこれから。

五色岳山頂周囲はハイマツ藪、山頂に出て視界が一変、目前に大雪の中心部が展開。
忠別岳と凡忠別岳その向こうに高根ヶ原、さらに奥、旭岳、白雲岳は山頂が雲で山肌の確認。
左手には化雲の台地から化雲沢川に落ち込む断崖絶壁が迫力の姿。
五色岳からは進路を西へ。まずはハイマツ藪をかき分けの道。足元の水たまり注意。
道は除々に藪を脱出、花の咲く高地の草原へ。木道がつき、足の運びが楽。
湿性の草原ではホソバウルップソウに再会。五色ヶ原よりこちらのほうが、花を残した株が多く残存。

1952m峰の裾では、木道を覆って雪渓が残存。
その先、化雲岳の南には地図にない道が2本以上はある。網目状なので要注意。
そのうちの1つ、本来より手前の道を通って山頂へ。
平地に大きな岩がポツンと立っているようにみえるが、行ってみると断崖の縁。
東は高根ヶ原、西は小化雲方面への山の連なりを展望。
後を振り返れば、大きく迫力のトムラウシ。登り応えのありそうな斜面。

トムラウシへ向かう稜線台地の道を下って、本日の宿営地ヒサゴ沼へ。
稜線台地から斜面へ下るとすぐに雪渓。雪渓上を下っていくとヒサゴ沼が見えてくる。
沼の対岸の壁には雪渓が氷河のよう。
その畔に鮮やかな色のテント群、その横が避難小屋。
雪渓の下端に到着。ここで水汲みタイム。雪の下から流れ出る水は上質。
水を背負って木製階段の道。水流が土をえぐり取り。石がゴロゴロ。木材が宙に取り残され。
靴に水を入れぬよう用心しつつ、水流を踏みしめ沼脇の木道へ。
木道を辿り、水流を2ヶ所通過してようやく小屋到着。
この時間、小屋は満杯、止むを得ずテント設営。暗くなる前には就寝でした。

なかなか、寝付かれずに夜半、時間不明、かすかな雨音、やがて雷鳴。
静まってしばらくすると雨足が強くテントを叩く。そのうち風が強くバタバタ音。
雨と風は強くなったり、弱まったりの繰り返し。
そのうち、安テントでは雨も浸透。波型マットの薄い部分から寝袋・衣服が濡れてくる。
幸い、水浸しにはならず。浸水量は2、3リットル程度。
なんとか夜明けまで持ちこたえ、早々に下山いたしました。

出発9:10 沼の原分岐9:55 五色の水場10:50 五色岳11:25 化雲岳12:05 ヒサゴ沼13:15
ヒサゴ沼13:15 化雲岳12:05 五色岳11:25 五色の水場10:50 沼の原分岐9:55  帰着 14:35

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