林道はよく整備され、舗装道路のよう。自転車の単独者に追い抜かれ。
岩壁を削り取った様子が見て取れ、電源開発工事なればこそ。
林業だけのためなら盛土がせいぜい。こんなにコストはかけられない。
ゲート到着。軽トラックが一台。この車なら駐車場横のチェーンを持ち上げればくぐれそう。
でもそこまでリスクを負う距離ではない。大変なのはこの後の延々の林道歩き。
林道歩きとはいえ渓谷の景色は楽しめる。
枝沢は滝となって流れ落ち、絵になる。
春の花の季節は過ぎたけれど、夏の花がそれなりに咲いている。
川の水量の様子見、崖崩れ、落石の危険の様子見など退屈はしない。
退屈なら、道路の端から下を覗けば、恐怖。しばらくは緊張が持続します。
取水ダム到着。駐車場は広く、ここまで車で来れないのが残念。
靴を脱ぎ、スパイク地下足袋に履き替え。
他の方は登山靴を担いだが、軽量化のため、ただ一人ハイタイプタウンシューズをリュックへ。
結局、翌日ここに戻るまで地下足袋で済ませることが出来、使うことはなし。
取水ダムの先、へつりなどあるが、しばらくは登山靴の道。
最初の渡渉までは30分。その後も山道主体。時折の渡渉。
沢靴が活躍するのは谷が狭くなる部分の前後。
特に、その核心部。両側に岩壁が迫り、風光明媚な場所。
岩に環状金具が打込まれ、増水時にはザイルを張る。
体を支えるための長い棒も備え付け。雨が降るとここが難所。
本日は水流が浅く、身体の熱を冷まし、気分壮快の場所。
後半も渡渉がすくなくなり、最後の山道は長く、水流が恋しくなったころ、小屋が見え、締めの渡渉で幌尻山荘到着。
山荘の前は登山者が出払って閑散。私以外は靴の履き替え。
流し台の蛇口から水がチョロチョロ。管理人さんに聞くと「自分たちは飲んでいる」。飲用可。
登山道は山荘の横。急傾斜の尾根道。良く踏まれ、刈分け整備状況良好。
札幌なら普通の登山道。日高ではハイウェイ。
笹の背は低く、針広混交自然林。大木が目立ちます。
重い荷物を背負い、ゆっくり登って、汗をたっぷりかいて、高層樹林帯へ。
ダケカンバが目立ち、ハイマツがポツポツ出てきた頃、ようやく「命の水」分岐に到着。
水流は細いが冷たくて美味い。5分もかからないので是非立ち寄りたいところ。
登り再開で周囲は灌木帯へ除々に移行。ハイマツ・ミヤマハンノキ主体の矮性木になれば稜線肩はすぐ。
稜線に出て薄い雲の中。雲が流れ、時折北カールが部分的にちらちら見える程度。
展望は残念な事態ながら、足元にお花畑が。ハイマツ・ミマハンノキ群落と交互に登場。
春の主役はもういないが、ウサギギク・トカチフウロ・ナガバキタアザミなど一面に華やかに。
最後、新冠コース分岐から頂上までも花畑の斜面登りでした。
頂上には大看板とケルン。一等三角点標識。さすがに日高の主峰。
あいにくと雲の中、風が冷たく晴れる気配はなし。短時間休憩で戸蔦別方向へ出発。
この後も、1940m肩まで、お花畑が次々出てくる極楽尾根歩きコース。雲の中展望がないのが不満。
肩からの下りは背の低いハイマツ主体の灌木帯。下るほどに七ツ沼カールが見えてくる。
沼は干上がっており、南北に大きく離れてテントが2張。
当初、人影の黒い点だけがポツンポツンと見え、クマなのか人なのか疑心暗鬼。
相当下ってからテントのオレンジ色を見つけて、やれやれニッコリ。
稜線から七ツ沼カールへの下り分岐は、気をつけていれば明確。
斜度は急。縦走装備のリュックを担いではきつい。慎重にゆっくり。
特に後半はザレ場。転ばぬようさらに慎重。
こちらの斜面、一面ハクサンボウフウの花畑。これだけの規模は珍しい。
沼底は砂地。最高のテント場。ただし周囲に水流はなし。
そこで、雪渓の残骸から雪を採取。先ずはビールを冷やす。
溶かして作った水は3リットル。Tさん持参の浄水器が大活躍でした。