カムイエクウチカウシ山の記録    08 09 13・14


金曜日夕方札幌出発。夜半札内ヒュッテ到着。無人。独占で宿泊。
トンネルの先に車なく、ヒュッテの前に車中泊の1台。
ただ、夜中に数台がヒュッテの奥へ、トンネルの先の駐車場は3台で1台がカムエク2台が札内。
あとはコイカクの駐車場。台数不明。1839の登山届は2パーティ。

(カムエク直下の稜線から)ピラミッド、1823、1839
(カムエク
直下の
稜線から)
ピラミッド
1823
1839

早朝出発。先行者なしでホイッスルを吹き鳴らしつつ、放置された建設途中の道々を前進。
立派な覆道が2、その先に堂々たるカーブ橋。路面は砂利道が延々と続き最後に七の沢に架かる橋で終点。
橋の手前で札内川本流の河原へ。ここでTさんが渓流靴に履き替え。私はピン付スパイクなのでそのまま。

札内川本流は河原の幅広く、中洲にはケショウヤナギ?の林があるなど。どこでも歩ける開放空間。
ただ、石ゴロゴロよりは砂利、砂利よりは砂が歩き易い。
しばらく河原で、ちょっと深そうな広い淵の手前、対岸に巻き道のリボン有。最初の渡渉は広く浅い。本日の深さ、足首程度。
巻き道は延々と続き、踏み跡は明瞭。当たり前ながら手入れ不良。笹が被り、枝が伸び、倒木が倒れ。
登り坂をきっかけに河原へ。本日は河原歩きが快適。巻き道が歩き易そうならそちらへ。
どちらでも選べる、順調な歩きで八の沢出合テン場。ブランチタイム。

そろそろ出発の頃、赤平からの単独者に追いつかれ挨拶。
出発してすぐに単独下山者に出会う、あれ、車がないのに何処から?。
エサオマントッタベツからコイカクに縦走の予定が天候不良で中断、八の沢カールに一泊して下山。
世間話風に軽い口調で「カールの手前にクマがいましたよ」。これから一泊するつもりなのに「エッ」。
八の沢に入ると傾斜角度は増加。石の大きさも数段上。岩と石がゴロゴロ重なる沢登りの世界。
でも、三股までの間、ほとんど巻き道あり、右か左あるいは両岸に。
八の沢の突き当たり、三股は大パノラマの絶景。開けた河原に滝が三方から。
ここから、カール下の壁に取り付くが、前半部分が複雑迷路。テープ注意を怠って1時間半のタイムロス。

三股から上のルートを自分流に解釈すると。
カールから流れ落ちる2本の急流が壁の途中で滝になり、合流して三股中央の滝の主水源となっている。
だから壁登りのルートは滝の上端まで巻きの連続。巻ききって最後に急流に立つのかがポイント。
巻き道は滝の右に延々とついているが、ほとんどが枝沢の登り。
枝沢を登り高度を稼いでから左へトラバース。一つ上の枝沢に移るパターン。
枝沢渡りをテープの指示どおりに左へ左へと続けていって、最後は滑床の涸れ沢。
滑床の涸れ沢は本流から一旦分流したもので、最後滝となって、再度本流に合流。
乾いているので登れるが、水流がある時は怖くて歩けないだろうと想像。
そうなれば、沢初心者としては、多分藪突入

タイムロスの犯人は、迷所の二股「Y」。トラバースの先が二股と気付かず右に登ってしまった。
踏まれた跡がくっきりで、ずいぶん多くの登山者をだました証拠。
犯人の特徴はふかふか緑の苔とそれを潤す水流。
水もしたたる美しい緑の沢に出会ったら、その左に隠れている、石ゴロゴロ見栄えのしない枝沢に入りましょう。

本流に出てやれやれ。あとは沢を詰めるだけ。
ここで、カール宿泊のため水汲み。これは失敗。そうでなくとも重い荷物がさらに重く。
ここからカールまでは、ほとんど巻き道あり。その点は楽、で、汲んだ水を捨てなかった。
水場はカール直下。伏流水が流れ出し。テン場から気軽に汲みに行ける距離だった。

カール到着で見回すが無人。先行の方が居ない。実は山頂。もう、薄暗く、山頂から霧が湧き出し、さらに寂しい。
大きな岩には、ヒグマの犠牲になった福岡大ワンダーフォーゲル部3名の鎮魂のプレート。時折、単発的にナキウサギの声。
念願の八の沢カール。圧巻の景色に感激半分。恐怖半分。ささやかな祝杯の後、早めの就寝。
夜中に起き出すと満月で、周囲の見通しが効き、カールを囲む壁は迫力満点。本日は「中秋の名月」前夜。
遠くに中札内の街灯り。上空は満天の星。さすがに天の川はうっすら。でも「オリオン座」はくっきり。
突然、ピラミッドの左に流れ星。左から右へ一瞬でした。

翌朝は快晴。簡単に朝食を済ませて、カムエク山頂へ。
道は鎮魂の岩の横から一旦ピラミッド方向。すぐに分岐。手前の道はほぼ直登で、日高主稜線縦走路に接続。
直進の道は斜度が緩くピラミッド方向へ。カムエクの雄姿を撮影するには都合が良い。今回は下りに利用。
直登の道は3点確保登りありの急傾斜。登りきって1張分のテン場。
左右に尾根上の縦走路。整備まあ良好。ハイマツが伸び出し邪魔ながら、払い除ければ抵抗は弱い。
岩の乗り越えは慎重に、3点確保を忘れずに。
頂上直下になるとカール側高山植物の草地。一般登山道並みの歩き易さ。しかも錦秋の紅葉。
途中にはクマの糞がポロポロ。状態からの推理では、昨日夕方、若クマが逃げつつ落としたものでしょう。

山頂に着くと、昨日の単独者に再会、頂上から5mくらい下がってテント。
快晴の空、360度の大展望。さすがに一等三角点。
イドンナップ、ナメワッカ、幌尻、エサオマントッタベツ、札内、勝幌、十勝平野。
ポンヤオロ、1823、コイカク、ヤオロマップ、ペテガリ、1839。
日高の絶景を堪能できました。

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(13日)ゲート出発4:30 七の沢出合6:00 八の沢出合8:30 三股12:00
三股出発12:40 時間ロス地点「Y」14:00 「Y」振出し15:30 八の沢カール17:30
(14日)カール出発6:00 稜線テン場6:45 カムエク山頂7:35

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