高根ヶ原は大雪山の中央部にあり白雲岳と忠別岳を結ぶ台地。
ちょっと見平坦ながら、平ヶ岳・1833ピークなど緩やかな峰があり。
この緩やかな凹凸が台地上の風の強弱と水の流れに変化を呼び。
地質変化と相まって、登山路周辺の植生と景色に多様性を創造。
風がまともに当たる凸部分と斜面などは高山植物の独壇場。ハイマツは岩陰にポツン・ポツン。
その高山植物も地質により種類が微妙に変化。
イワヒゲ、ジムカデ、エゾツツジ、エゾハハコヨモギ、ヒメイワタデ、エゾイワツメクサ、キバナシャクナゲ。
タカネオミナエシ、チシマギキョウ、クモマリンドウ、メアカンキンバイ
エゾオヤマノエンドウ、エゾコザクラ
コルなど凹部分は水気が多く、土壌が堆積し湿地状態。湿気好きの植物が元気。
ミヤマサワアザミ、ヨツバシオガマ、ワタスゲ。
木道の整備された場所もあるが、木道のない道は登山靴がえぐった泥道。
凹と凸の中間にハイマツ帯。ウラジロナナカマド、マルバシモツケ、イソツツジ。
草地のお花畑には、トカチフウロ、チシマフウロ、ハクサンボウフウ、チングルマ。
エゾヒメクワガタ、カラフトゲンゲ、リンネソウ
エゾウサギギク、ミヤマオグルマ、エゾタカネツネクサ、チョウノスケソウ、ミヤマキンポウゲ、チシマノキンバイソウ
まずは三笠新道分岐。近辺は水の流れなど湿気が多くなってホソバウルップソウの群落。
既に花は終わり種を熟成している段階。かろうじて穂先に花の残った株を見つけ撮影。
三笠新道分岐を過ぎ、再び乾燥の礫地の中を平ヶ岳へ。
平ヶ岳北東端で道は崖に接近。高根ヶ原がら高原沼一帯へ落ち込む崖が一望の展望の場所あり。
北西の季節風で吹き飛ばされた高根ヶ原の雪が、吹き溜まった大量の残雪となり迫力ある風景を見せてくれます。
平ヶ岳の東斜面は湿潤草原、スパッツが泥だらけ。ワタスゲ・バケイソウ・エゾキスゲ。
続いてハイマツの中の道、刈り分けの手入れは良好。
頂上の存在が気になるところでしたが、不明のまま通過。
一旦コマクサの多い礫地を進み、コルの湿潤草原へ。木道が整備されたところもあり。
ハイマツをくぐって再び礫地で、1833ピークへ登りの緩斜面。タカネシオガマがいい。
1833ピークを越えると目前に忠別沼、高層湿原の雰囲気、沼のすぐ脇を木道が通っています。
沼のへの下りはお花畑の斜面。エゾノツガザクラ。アオノツガザクラなど見事。
沼まで下りて行くとワタスゲ・ホソバノキソチドリなど湿気を好む植物。
沼の先、ハイマツ帯からお花畑を抜けると、忠別岳までは礫と岩の緩斜面。
傾斜の緩急がニセピークに見え、とにかく長い。
時間が不足気味で、登りきれば目標地点と思うだけでも気持ちに疲労が蓄積。
頂上広場には先客は10人近く、雲の中で展望はなし、昼食(時間的には朝食)も早々に退散。
帰路、擦れ違う登山者はさすがに多い。ツァーらしきパーティも数組、「ノマド」、「マッシュ」の一団も。
白雲小屋に戻ってキャンプ場はガラガラ、それでも残ったテント10張り以上。
さらに緑岳頂上にも10人近く、親子連れもおり、7月連休は大雪山シーズン最盛期。
下って高原沼温泉は700円。泉質は良好。露天風呂も快適。
ただし、洗い場が4人分しかないので、混雑の時は注意。なお、今回はすぐ使えました。
山を歩こう
道内の山歩
札幌山歩(さっぽろさんぽ)
ゆったり山歩で自然と仲間