オプタテシケ山の記録    07 07 14・15 


14日(土)
上富良野まで車は多目ながら流れは順調。上富良野から白金温泉は閑散道路。
でもやはり、美瑛富士登山口の駐車場は満車で路肩駐車です。
山中1泊ながら重いリュックを担いで出発、まずは林道跡。
気温は低めで陽射しほど暑さはきつくなし。
体が慣れた頃山道の入口、切り土の段差をロープで森林の中へ。
道は、エゾ松の大木とクマ笹に囲まれ、明るい道。
時折のダケカンバの白い幹が鮮やかに見えます。

やがて苔蒸した岩石が林床の様相が時折現れるように。
そこで一瞬、茶色の動くもの、視線を向けると穴に逃げ込むお尻だけ確認。
大きさからはナキウサギと思うのですが、鳴声は聞きませんでした。
(テント場向いの石垣山からは盛んにピユッ、ピユッでしたが)
やがて大木が減り低木が増え、庭園的な風景が出て来ます。
昼食予定場所の自然庭園はまだかと思うのですが、林が出てきたり、なかなか着きません。
たまらずに絶好のポイントで昼食としましたが、実は、そのすぐ先が標識でした。

ここから上もまだ、クマ笹の密生地は執拗に現れ、潅木との競合地帯。
それも除々に高山地帯の様相に変化、沢を3本、雪渓を2箇所越え、お花畑も登場。
石垣山の岩ゴロゴロ斜面が見えて来て、テン場に到着でした。

先客の話から水場は最終雪渓が良いとのことで、テント設営後空身で水汲みへUターン。
雪渓を30mくらい降りた脇には渓流状態の雪解け水がたっぷり。
水汲みが終れば貴重なビールで乾杯、ここまで来れば、まずはひと安心。
お隣さんの「ハイキングクラブ みどりの風」はすでに宴会状態でおおいに盛りあがっています。
夕食はアルファ米五目御飯に、Tさん差し入れのボンカレー、美味しく頂きました。
やがて夕暮れ、大汗をかいた御褒美に大自然が演出する贅沢なショータイム。
7時11分真っ赤になった空と雲海に太陽が消えるまで、20人あまりの観客を楽しませてくれました。

この後はテントの中でこじんまりと宴会、明日に備え、セーブ気味ながらいい気持に。
テントの外は満天の星、寒さを我慢で、久し振りに天の川も堪能出来ました。
15日(日)
お隣さんの出発準備の物音で早くに目が覚めたのですが。
デジカメを持ちテントの外に出た時には姿はありません。
美瑛岳方面のコースへ走って新得方面の朝焼けの雲海を撮影。

戻って、朝食はアルファ米梅茶漬け。コーヒーを飲んで、テントを畳み荷物は避難小屋に。
小さいザックを背負って出発。まずは石垣山へ。
朝日の中、岩伝いの気持のいい登り。
山頂へ寄り道も、コースとの距離は地図ほどはなくて、ロスタイムは僅か。
展望は良く、満開の高山植物もお出迎えです。

一旦ベベツとのコルへ下って、強めの風が新得から美瑛へ抜け、こういう平地歩きは好み。
新得は雲海の下、ニペソツ、ウペペサンケなどが浮かび、富良野側は盆地の展望が開けています。
再びベベツ岳(辺別)への登り、この頃から、雲海が上昇、コルを流れ渡る雲も次第に多くなり、上から見る分には良い景色。
雲は十勝側から山肌を上昇、上川側へ抜けると消えていきます。
気象学の基礎を、分り易すく見せてくれる、ダイナミックな自然の展示ショーです。

目指すオプタテは流れる雲の上、その雲の中へ向いベベツの斜面を下ります。
コルの平地は風と霧の中も体熱放散効率が上がり、快調な歩き。
オプタテへの登りも放熱環境は良し。
上がって稜線歩き、また大展望が現れ、目の前には切れ落ちる断崖。
最後の登りも体力には負担が軽く、気分最高の登頂でした。

山頂からの展望も良く、今まで後に隠れていたトムラウシも確認。
その代り、三川台が流れる雲に見え隠れ。振返るとベベツ、美瑛富士まで飲み込まれそう。
軽いブランチタイムでゆっくり景色を楽しんでから下りました。
下りの正面では十勝岳が顔を出しているものの、美瑛岳は今にも雲に埋まりそう。
やかて我々も雲の中、同行の方々は雨具を着ましたが私はそのまま
厳しい気候でも、足元の高山植物は湿気を吸い、たくましく可憐に咲いています。
一面のチングルマの絨毯がうねる様子は、幻想的でさえありました。
気がつくと軍手はビショ濡れ、長袖ボロシャツは濡れて腕に張りついています。
吹付ける雲粒が衣類に吸込まれる状態。手は冷たく、痛みを感じる程。
それでも、体幹部は半袖ポリ体操着と体温のおかげか、濡れを感じない状態。
雨具を出すのは面倒と避難小屋まで何とか持たせました。

小屋は空いておりましたが、混む前にと、急ぎ気味の昼食タイム。
「みどりの風」一行が到着の前にテントたたみなどあらかた済ませておけました。
リュック満杯に荷物を詰め込み下りの出発です。
水を吸ったテントが重く、登りと変わらない重量では、膝を痛めないよう気配りしつつ足を運びます。
下るほどに雲から離れ、あっというまに真夏の登山路に。
暑い陽射しの中、次々、登山者に会います。
朝に出てオプタテまで行くのでしょうか。水場について聞いて来た方も。
下って、駐車場は不思議なことにガラガラ、あれだけの人数の足はどうなっているのでしょう。
温泉は「ほしの灯屋」500円、カランが5個と小規模、湯温が熱く源泉掛け流しへのこだわり過ぎではとの評価がありました。
帰りはラベンダーの時期にしては順調、でも対向車線は驚くほどの渋滞です。
富良野市街はもちろん、芦別三笠線からの抜け道まで延々と車の列。
台風4号のため航空路線が欠航の影響でしょうか。
Tさんも、こんなのは初めてとのことでした。

(土) 出発10:20 自然庭園12:30 美瑛富士避難小屋14:30
(日) 出発5:45 オプタテシケ8:10(休20分) 美瑛富士避難小屋10:00 出発11:20 登山口14:30


 オプタテシケ山行の写真も見てください

山を歩こう           道内の山歩

札幌山歩(さっぽろさんぽ) ゆったり山歩で自然と仲間



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