「ニペの耳」の記録    06 07 16 

石狩沢の雪渓

石狩沢から石狩岳へ登り、「ニペの耳」まで稜線歩きを楽しみ、ペテトク沢から帰りました。

ペテトク沢 ペテトク沢

石狩沢は草の薄いところが多く流れの中を歩く割合が少なくて済みました。
それでも、雪解け水は冷たく、靴下を履き忘れ、じかに地下足袋をはいたこともあり、足先は強烈に冷たさを感じました。
その分、運動による発熱の放熱効率が良いためか、体温上昇による疲労が少なく、地図に記載された水線の途中と最後にある2個の分岐は順調に通過しました。
除々に残雪が現れ、谷が雪で埋もれてきます。
そのため、滝は簡単なものが1ヶ所だけで通過できました。

雪渓のトンネル

主峰へ直接登るより右方面が傾斜が緩くて楽ということで、1924峰へ真っ直ぐ伸びている雪渓の谷を進み、先頭を歩いていたSさんの判断で選んだ右の沢へ方向転換しました。

1924峰へ真っ直ぐ伸びている雪渓の谷

雪渓はすぐに無くなり細い急な沢となり、ハイマツ・ナナカマドなどが覆い被さってきます。

掻き分け進んで、沢が途切れると背の低いハイマツの上は石狩連峰の稜線がすぐそこでした。
斜度は前回よりは緩くて助かりましたが、それでも急斜面に変わりはなく、這うように上がっていくと、コマクサの群落が迎えてくれます。

コマクサ コマクサ

稜線へ登りきってから、一旦、左手の石狩岳への戻る方向へ進みました。
1ヶ所下りで下を見るとちょっと足のすくむような場所があります。
ここの稜線は両側が切り立っており、今にも崩れ落ちそうな地形です。

石狩岳 エゾツツジ

ここで歩きながらフィルム交換という馬鹿なことをやり、以後カメラ故障という事態を招きました。

山頂は先客が14人で賑わっておりました。
我々が出発するころには1人を残して音更山方向へ降りていったので、多分シュナイダーコースでしょう。
天気は曇りですが、ニペソツや沼の原、忠別岳などが確認できました。
小休止を取って、「ニペの耳」方面へ戻ります。

道は断崖側を避け北側についており、イワヒゲ、コケモモ、ガンコウランなど地味な高山植物が続きます。
時折南の断崖側が見渡せる場所に出ると、ミヤマキンポウゲ、ハクサンチドリ、ハクサンイチゲなど見事なお花畑状態です。
岩を登り降りしたりハイマツを掻き分けたりすることもありますが、森林限界の上に連なる稜線を散策する至福の一時です。
小石狩岳、川上岳はそれと気がつかないまま通り過ぎてしまいました。
1ヶ所だけ狭いテン場があり、ここで夕焼け、朝焼けを眺められたら最高でしょう。

やがて南側も断崖から斜面に変わり、山道を歩きながらお花畑を楽しめるようになってくると間もなく「ニペの耳」です。
「ニペの耳」は見晴らしのいい開けた山頂です。
なにやらニペソツ方面への踏み跡らしきものもありましたが、稜線はすぐに雲が隠してしまい確認は出来ませんでした。
ニペソツと沼の原を結んでこその「ニペの耳」なのかなとも思いますが、そんなきつい山行を実現できるかとなると、そこまでの元気はなかなか出てきません。
だんだん霧が出てきて雲行きが怪しくなって来ましたが、お花畑はこの後も1750mくらいまで現れました。

その先、ガイドブックにある根曲がり廊下はどんなものか計画立案中からの気がかりでしたが、なかなか出てきません。
普通に荒れた山道で左右からかぶさってくる低木や笹を払いながら下りました。
やがて雨がパラパラ落ちてきて低木や笹に着いている水滴がどんどん服を濡らします。
やっと、根曲がり廊下は普通サイズの笹藪が覆い被さっている中に登山路の地面が掘り下がったものと気がつきました。

コルのちょっと開けた場所でテントが2張の10人くらいのツアーに会いました。
「マッシュ」というクラブだそうです。
この後の降雨を考えると相当難儀をしたと思います。
ペテトク沢は両側の斜面が迫っているせいか木が少なく、笹・蕗・草が密集して、水中歩きの多い沢です。
ただ、滝や淵がない簡単な沢でした。

層雲峡温泉に着いたころには雨は土砂降り状態で、温泉のありがた味が実感でした。
「黒岳の湯」(600円)のお湯はぬるく、さらにタイミンク悪く、洗い場が混んでいました。
ただ、出るころには空いてきました。



登山開始    5:45
縦走路到着  9:30
石狩岳    10:00
石狩岳出発  10:30
「ニペの耳」    12:15
登山終了   15:40



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